映画「メリー・ポピンズ リターンズ」感想/幸せにする魔法は健在!

レビュー・感想




「メリー・ポピンズ リターンズ」が2019年2月1日に公開された。

その名の通り、あの名作「メリー・ポピンズ」の続編となる。

 

そんな「メリー・ポピンズ リターンズ」を鑑賞してきたので感想を書く。

ここからはネタバレありの感想なので、これから映画を観る人でネタバレ嫌いな人は注意!

映画「メリー・ポピンズ リターンズ」について

前作の「メリー・ポピンズ」は1964年に公開された。

「メリー・ポピンズ」はディズニーランドの生みの親、ウォルト・ディズニーがどうしても映画化したかった作品で、原作者に映画化を断られながらも20年かけて交渉し続け、ついに映画化された作品だ。

その交渉や制作については「ウォルト・ディズニーの約束」という映画になっており、ウォルト・ディズニーの「メリー・ポピンズ」への熱意と、原作者パメラ・トラバースの「メリー・ポピンズ」への想いが描かれている。

映画になった「メリー・ポピンズ」は実写とアニメが融合したミュージカル映画になっていて、「チム・チム・チェリー」を始めとする、「お砂糖ひとさじで」「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドージャス」「2ペンスを鳩に」「踊ろう、調子よく」「凧をあげよう」など、ついつい口ずさんでしまう曲が満載。

これらの曲はディズニーの曲を多く手がけたシャーマン兄弟が携わっていて、この「メリー・ポピンズ」の作曲で高い評価を受けた。

ちなみにシャーマン兄弟が作った有名な曲として、ディズニーランドのアトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」で流れている「小さな世界」がある。

そんな超大作の「メリー・ポピンズ」の続編として作られたのが「メリー・ポピンズ リターンズ」だ。

 

「メリー・ポピンズ リターンズ」のストーリー

大恐慌を迎え暗く厳しい時代のロンドン。バンクス家の長男でありかつて少年だったマイケル・バンクス(ベン・ウィショー)は、今では自らの家族を持つ親となっていた。
かつて父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就き、3人の子どもたち、アナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョン(ナサナエル・サレー)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)と共に、桜通り17番地に暮らしていたが、ロンドンは大暴落の只中で金銭的な余裕はなく、更にマイケルは妻を亡くしたばかりだった。
子どもたちは「自分たちがしっかりしなくては」と躍起になるが上手くいかず、家の中は常に荒れ放題。さらに追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家を失う大ピンチ!

そんなとき、魔法使いメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が風に乗って彼らのもとに舞い降りた。20年前と同様にバンクス家の子どもたちの世話をしに来たと言う彼女は、一風変わった方法でバンクス家の子どもたちの “しつけ”を開始。バスタブの底を抜けて海底探検をしたり、絵画の世界に飛び込み、華麗なるミュージカル・ショーを繰り広げる。そんな彼女に子供達は少しずつ心を開き始めるが、実は彼女の本当の魔法は、まだまだ始まったばかりだった…。

メリー・ポピンズ リターンズ 公式サイトより

前作で子供だったマイケルとジェーン姉弟が成長し、大人になっている。

マイケルは父親になり3人の子供がいて、家は前作と同じバンクス家に住んでいる。

しかし妻を亡くしてしまっており、金銭的・生活に余裕がない状態。

姉のジェーンは未婚で、労働者の賃金向上の為の運動を行っており、たまにマイケルの家に様子を見にきている。

そんな中、メリー・ポピンズが「バンクス家の子ども達に教育をする」と現れる。

 

「メリー・ポピンズ リターンズ」の感想

「メリー・ポピンズ リターンズ」は前作のオマージュが沢山盛り込まれている。

まず、舞台が一緒なので、バンクス家とその周辺、銀行など見覚えのある建物ばかり。

前作の最後にあげた凧は冒頭で登場するし、隣家の提督の砲撃も健在、義足の男スミスのギャグも登場する。

メリー・ポピンズは手すりを滑り上がったり、「口を閉じて、お魚みたいよ」や、「タッタカタ」など、前作「メリー・ポピンズ」ファンにはニヤッとしてしまうシーンが沢山あった。

 

大まかなキャラクターやストーリー進行も似ている。

メリー・ポピンズと子ども達を中心としたストーリー展開で、忙しい父親にかまってもらえない子どもたちが、メリー・ポピンズと一緒に色々な体験をしていく。

そこに銀行に勤める父親集会に熱心な姉(前作は母)、メリー・ポピンズと友達の男性が絡んでくる。

 

前作ではチョークで描いた絵の中に入ったが、今回は壺に描かれた絵の中に入る。

実写とアニメーションが融合されたシーンは健在で、技術の進歩で実写がより自然にアニメーションに溶け込んでいる。(「技術が進歩したな」と思いながらも、50年前に「メリー・ポピンズ」を作った技術もすごかったんだなと、改めて感心させられた)

ここではメリー・ポピンズが舞台に立つことになり、衣装の変更、髪型もボブに変更される。

雰囲気が現代風になるが、ボブカットのメリー・ポピンズが超かわいい!

 

前作のバートが煙突掃除仲間と踊ったシーンのオマージュもある。

メリー・ポピンズの男性の友達 ジャックは点灯夫で、点灯夫仲間とのダンスはクオリティが高く目が離せない。

脚立や自転車を使ってのアクロバティックなダンスで、非常に見応えがある。

ダンスのクオリティは前作を超えていると思う。

 

楽曲は一新されている。

前作の名曲「チム・チム・チェリー」「お砂糖ひとさじで」「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドージャス」など、全く出てこない。

正直、期待をしてしまっていたし、それらがあっての「メリー・ポピンズ」だと思っていたが、それらを一切使わない潔さはすごい。

ストーリーや映像は相当オマージュがあったのに、音楽では殆ど使わなかったのは何故だろうか。

一曲くらい入れても良さそうなものだけど…。

新しい曲も良かったけど、観終わって口ずさんでしまうような音楽は無かったかな。

これは前作が凄すぎた。

 

主役のエミリー・ブラントは、素晴らしい「メリー・ポピンズ」を演じてくれた。

前作の「メリー・ポピンズ」を演じたジュリー・アンドリュースは、50年間も「メリー・ポピンズ」だった。

世間ではジュリー・アンドリュース=「メリー・ポピンズ」になっているので、相当なプレッシャーだったろう。

それでもエミリー・ブランとは、ほとんど違和感を感じさせない「メリー・ポピンズ」を演じていた。

もちろん「顔は違う」のだが、雰囲気は完璧に同一人物を感じさせていた。

逆にマイケルには違和感を感じた。

これは役者のベン・ウィショーのせいではなく、元々「慎重で疑り深い」性格だったのが、「なんとかなると思った」と楽観的な性格にした脚本のせいかな。

 

日本語吹き替え版、字幕版どちらがいい?

今回私は先に”日本語吹き替え版”、その後に”字幕版”を鑑賞した。

日本語吹き替え版の良いところ

”日本語吹き替え版”の方は文字に集中しない分、しっかりと映像を楽しめる。

”字幕版”だと字幕を読みながら映像を見るので、映像に集中してしまうと字幕を読み逃してしまう事がある。

また、メリー・ポピンズの声を平原綾香が担当しており、当然だが歌がとても上手い。

ジャックの歌声は”字幕版”よりも”日本語吹き替え版”の方が個人的には好きだ。

 

字幕版の良いところ

ミュージカル音楽を楽しむのであれば”字幕版”の方がオススメだ。

使われている楽曲は英語の歌なので、歌詞や歌のリズムは英語がしっくり来る。

“日本語吹き替え版”も歌は上手いのだけれど、歌詞やリズムに違和感を感じることは多々あった。

特に「本は表示じゃわからない」や「舞い上がるしかない」の日本語はちょっとガッカリ。

意味が変わらないように、なおかつ音楽に合わせた日本語訳を作るのは相当難しいんだろうね。

 

と、まぁ結局の所、どっち見ても楽しいし、両方見たら更に楽しい!

 

残念ポイント

残念ポイントは「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドージャス」が一度も登場しなかった事。

前作では「メリー・ポピンズのお気に入りの言葉」としてあんなに使っていたのに、リターンズで一度も口に出さないのは、ちょっと不自然だし残念。

「本当に同一人物?」と思ってしまう要因になってしまった。

 

「メリー・ポピンズ リターンズ」の評価

前作「メリー・ポピンズ」がビッグタイトル過ぎて、どうしても比較してしまうが、「メリー・ポピンズ リターンズ」は非常に良い作品だ。

前作の良いところを引き継ぎながらも、新しく美しい映像で描かれ観ると幸せな気分にしてもらえる。

大人から子供まで楽しめる映画になっている。

前作「メリー・ポピンズ」を見なくても楽しめるが、観ていればもっと楽しめる。

時間に余裕があれば、先に「メリー・ポピンズ」を観てから「メリー・ポピンズ リターンズ」を観に行くのがオススメだ。

 

また、先にサントラを聴いておくのもオススメ。

何度か聴いておくと「あ、この曲だ!」とテンションが上り、ノリノリで鑑賞できる!