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細田守監督の新作「未来のミライ」を映画館で鑑賞してきた。
ネタバレありで感想を書く。
相当な酷評になるので、この作品が好きな人は読まない方が良いかも。
これから観に行く人に伝えたいのは
- 「サマーウォーズ」、「バケモノの子」のようなエンターテイメント性はほとんど無い
- 「時かけ」のようなタイムリープものとは違う
- 「おおかみこどもの雨と雪」の序盤の雪が部屋をぐちゃぐちゃにするシーンが延々と続く
それでも観たい人はどうぞ、いってらっしゃい。楽しんで。
この記事の目次
『未来のミライ』感想
全く肌に合わない作品
「未来のミライ」は観た人の立場によって感想が分かれると思う。
結果から言うと、私はこの映画は嫌いだ。
「この映画は好きじゃない」(主人公風に言えば「好きくない」)という映画は沢山あったが、「嫌い」とはっきり思ったのは、この映画が初めてだ。
30代で結婚もしていないし、もちろん子供もいない私にとって「未来のミライ」は苦痛でしかなかった。
それ程にインパクトのある映画だった。
ダメだった所、不快に思う理由
その1 魅力のないどころか、不快な主人公
主人公の男の子「くんちゃん」が全く可愛くなく、共感もできないのが致命的。
まず、声がキンキンした女の子の声で、男の子の声とは思えないミスマッチが気持ち悪い。
子供が喚いているはずなのに、良い年した女の子がギャンギャン喚いているようにしか聞こえない。
そのせいか、連呼される主人公の一人称「くんちゃん」が非常に腹立たしい。

「くんちゃん」が犬のしっぽを付けてワンワン駆け回るシーンも、小型犬の「キャンキャン」声が頭に響きイライラする。

そして子供なんてそんなものかもしれないけど、くんちゃんがワガママ過ぎる。
ずーーーーっとワガママ言って喚いて泣いている。
ワガママ言っている理由は理解できるけど、だからといって共感はできない。
「ファミレスで、ワガママ言って泣いている子供を放置している親」
それを映画館で見せられている感じ。
また、犬のしっぽを自分のお尻に刺すシーンと、「蜂ゲーム」でくすぐられた後に、顔を赤くして「もっとやって」と言うシーン。
変態みたいで気持ち悪く、吐き気すら覚えた。
そりゃミライちゃんもドン引くわ。

その2 出番の少ないミライちゃん
タイトルにもなっている、主人公の妹の「ミライちゃん」。
可愛いけど、ほとんど出番がなし。
そして未来から来た理由が「婚期が遅れないように、お雛様を片付けるため」。
かなりの尺を使ってお雛様を片付けていたので、他に大きな理由があると思っていたら、本当にただ片付けるだけだった。
まだ中学生か高校生くらいなのに、過去に行ってまでしなくちゃならない事?
手のアザも何かのフラグだと思っていたが、ただ「ミライちゃんだ」と分からせる為だけのマーク。
そんな女の子にコンプレックスを与えるようなものをマークにしなくても、もうちょっとあるでしょうよ…。
未来でのミライちゃんと主人公の仲も、良いんだか悪いんだか良くわからないし。
本当に何しに来たんだ、ミライちゃん。

その3 子育てが大変な両親
「子育てってこんなに大変なんだよ!でも子供の成長を見るのは楽しいよ」ってテーマなのかな。
「くんちゃん」の「おとーさん!おとーさん!」「おかーさん!おかーさん!」と、かまってちゃんモードに対して、両親は新生児のミライちゃんの相手で忙しかったり、仕事で疲れているのでイライラして放置したり怒鳴ったり。
1,2回ならまだしも、何度も何度も見せられ、うんざりする。
実際の子育てもそうなんだろうけど、これがとてもイライラした。
そして両親が苦労して乗り越えるならまだしも、特に何をする訳でもなく問題を放置。
「子供のおかげで、親も成長できるんだよ」的なテーマがあるとしたら、すごく弱い。

その4 ストーリーの主軸がわかりにくい
「未来のミライ」というタイトルからすると、現代に未来から来たミライちゃんが、未来を変えるために主人公と何かをするストーリー…ではない。(読みづらい…)
主人公の家の中庭にある樫の木に不思議なチカラがあり、その力で未来のミライちゃんが来たり、ペットの犬が擬人化したり、お母さんの子供の頃や曾祖父さんの所にタイムスリップしたり、へんてこな世界に迷い込んだり。

樫の木になんでそんなチカラがあるの不明だし、なんの為にあるのか分からない。
樫の木の能力で、何が変わるわけでもなくクンちゃんが少し成長するだけ。
それもわざわざタイムスリップしなくても良いような微妙な成長。
誰が何をしたいんだか不明。
良かった所
相変わらず映像は美しい。
自然や人工物も透明感があり、美しく描かれていた。

曾祖父さんがかっこよく、また結婚の伏線の回収は良かった。

まとめ
「未来のミライ」についての感想を書いた。
鑑賞中、「自分は映画を楽しみに来たのに、何を見せられているんだろう」と言った疑問を感じた。
鑑賞後にこんなに疲れて不快になった映画は始めてだ。
今までの細田守監督の作品は、「家族って良いな」と思えるような作品だった。
「サマーウォーズ」のおばあちゃん、「バケモノの子」の熊徹、「おおかみこどもの雨と雪」の雨と雪とお母さん。
特に「未来のミライ」と同じようなテーマの「おおかみこどもの雨と雪」では、「子育てって大変だな。それでも子供が成長するのは嬉しいんだな」という事がしっかり伝わりつつも、共感もできた。
これは誰におすすめする映画なのか分からない。
夏休みにこれをみた子供は面白いと思えないだろうし、学生でも無理だろう。
あえて言えば、子育てが終わった両親向け?
「あぁ、あるある。大変だったよねー。」って感じで共感できるのかな?
しかし、私は「未来のミライ」を観てこう思った。
「子供なんて絶対にいらない」