アニメ「からくりサーカス」第17話 感想・考察/エレオノール出生の物語

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TVアニメ「からくりサーカス」の17話「訪れし者」が放送となった。

私はテレビで見られる環境にないので、Amazonプライムでの視聴。

「からくりサーカス」第17話の感想を書く。
ネタバレありなので、原作を読んでない人は注意。

からくりサーカスの進行状況は下記記事でまとめている。

TVアニメ「からくりサーカス」はどこまで進んだ?原作と比較(最終話反映)

TVアニメ「からくりサーカス」第17話「訪れし者」 感想

あらすじ

正二の記憶を旅する勝が見たもの。正二は、生命の水を飲み干し、アンジェリーナと共に生きることを決意する。しろがねの力になるべく、懸糸傀儡の研究に励む正二。そして正二に寄りそうアンジェリーナ。ある日、正二が作った懸糸傀儡を世界中のしろがねにもたらすため、ルシールの命を受けたディーン・メーストルという男がフランスから訪ねてくる。

 

ストーリー

正二の記憶を見ていたマサルは、目が覚める。

マサルが「おじいちゃんとアンジェリーナさんの子供が、僕のお父さんなんだね」と言うと、正二は「そこまでしらを切るのか、お前は最初から私の子供ではなかったではないか。私の子供はエレオノールただ一人の娘だ」と話し始める。

正二とアンジェリーナは懸糸傀儡を研究。

二人の作った懸糸傀儡は世界中のしろがねが使うこととなる。

 

そしてディーンが登場。

ディーンはルシールから、マリオネットの運搬と制作を命じられて日本に訪れた。

ディーンは正二の養子として迎えられ、名前を才賀貞義と改めた。

そんな中、アンジェリーナにしろがねの女性として初めての”妊娠”が発覚。

正二は父親になれる事を喜び、アンジェリーナを抱きしめる。

 

そんな過去の事を話す正二とマサルの元にギイが現れる。

正二「貞義を殺しに来たのか」

ギイ「あぁ、3年前にあんたと約束したからね。貞義がこの子に自身をダウンロードしていたら殺せと」

ギイはダウンロードしているかどうか不明だったので、マサルを一人で行動させていた。

そしてギイも昔の話を語り始める。

ギイはゾナハ病を発症し、母親に捨てられていた。

その後、ギイはルシールに導かれてしろがねになった。

ギイのしろがねとしての初仕事がアンジェリーナに会うこと。

そして、アンジェリーナの体内にある「柔らかい石」を摘出し、アンジェリーナの子供に移し替えて、キュベロンに搬送する事。

 

それを聞いたアンジェリーナは、自分の子供をただの「柔らかい石」の入れ物にしようとする事にショックを受ける。

そして、ギイには従わず、戦いを挑む。

「しろがねは人間ではありません」

「あんただってしろがねじゃないか」

「私は…母親です!」

「お腹の大きいおばさんが何を言っているんだ」

そう言うと、雨の降る中、二人の戦いに火蓋が切られる。

アンジェリーナはお腹の赤ちゃんをかばいながら戦うため、苦戦を強いられる。

「この子にもあなたと同じようにしたいのですか、母を知らずひとりぼっちに」

母親に捨てられた事を思い出すギイ。

「僕は慣れたよ。その子もすぐに慣れるさ!」

「あなたは勝てないわ。オリンピアもマリオネットもすべて私と主人が作ったもの。

決して赤子を母から取り上げる道具ではない!」

そう叫び、あるるかんでオリンピアを圧倒。

しかし、ギイはオリンピアで「聖母の抱擁」を発動。

アンジェリーナが避けられないと思った、その瞬間。

オリンピアに使われている歯車が一瞬動きを止める。

アンジェリーナはオリンピアの攻撃をかわし、「聖母の抱擁」はギイ自身が受けることとなってしまう。

アンジェリーナは、傷ついたギイを看病する。

そして「私があなたのママンになってあげましょうか」と提案。

「私はすでにひとつの命を抱いているの。もうひとりくらい、いつでも抱きしめられるわ」

 

その頃正二は、ある意外な者と出会っていた。

黒賀村にいるはずのアンジェリーナのを見つけて、「そんなはずはない」と思いながらも追いかける正二。

教会で追いついた正二は「なぜ人を苦しむ姿を飾るのですか」と問われる。

正二はアンジェリーナにそっくりな事に驚くが、すぐに別人だと分かる。

「この像はすべての人間の罪を背負って磔になったのだから。」

「罪。罪とはなんですか」

「人を殺すことや贅沢、そういえばこういうのもあったな。この世にあるもののどんな像も作ってはならない」

 

そう言うと、アンジェリーナに似た人物は驚いた表情になり「像?ならば人形も罪なのですね」とつぶやく。

 

「そう言うと、私などは人形作りで財を成したから、罪人中の罪人だな」

「人形作り…。では知っていますか?才賀アンジェリーナという人間を」

それを聞くと同時に、警戒し剣を抜く正二。

フランシーヌ人形は正二の攻撃を軽くいなす。

「私はフランシーヌのオートマータ。才賀アンジェリーナにこの身を分解してもらうために来たのです。」

正二はフランシーヌ人形をアンジェリーナに合わせる前に、フランシーヌ人形の能力を人間以下になるように手を加える。

フランシーヌ人形は、笑うために仲間たちと旅に出たが、100年経ってもその方法がわからず疲れてしまっていた。

 

フランシーヌ人形を改造した正二は、アンジェリーナのもとに連れて行く。

フランシーヌ人形に会ったアンジェリーナは、自分にそっくりな事に驚く。

母親のルシールにはおばさんがいて、それがフランシーヌだった事を明かす。

アンジェリーナとフランシーヌは血がつながっていたため、容姿が似ていた。

そんな中、アンジェリーナに陣痛が訪れる。

産婆さんがすぐに来られないので、アンジェリーナは医学の知識があるギイにその役をお願いする。

ギイは「僕は赤ん坊を連れ去ろうとしたんだぞ」と驚きを隠せないが、正二からもお願いされ、引き受ける事に。

出産が始まるが、フランシーヌ人形は何を行っているか分かっていない。

ギイが妊娠、出産についての説明をすると「人間は人間を自分の体内で作り出すのですか。すごいですね」と驚く。

そしてギイと正二の手により、赤ちゃんが取り上げられる…が泣かない。

ギイが戸惑っていると、突然フランシーヌが赤ちゃんの足を持ち、お尻を叩く。

すると赤ちゃんは無事泣き出した。

無事に生まれてきた子供を抱き抱えるアンジェリーナ。

こうして正二とアンジェリーナの一人娘、エレオノールが生を受けた。

 

考察・重要シーン/削除シーン

過去編は江戸時代から始まり、明治時代、そして現代へと移り変わる。

原作では「明治○○年」「何年経った」「何歳」と表記されていた。

それが複雑でもあり、おもしろい所でもある。

アニメでは混乱させないようにする為か、年月の関係は出てこないようだ。

 

ちなみに、今回の話は明治42年、現代から90年前、正二とアンジェリーナが結婚してから67年、アンジェリーナ31歳、正二が49歳の時の出来事。

しろがねになると5年に1度しか歳を取らないので、2人ともまだ若い。(アニメではエレオノールが説明してたかな?)

ディーンの来日はその40年前の明治2年。

貞義として40年間、正二とアンジェリーナの元で過ごしている。

 

また、今回はギイの初任務と出産にかなり時間が充てられていたので、その他はかなり短縮されている。

正二たちの67年間の思い出話、ディーンと正二の40年に渡るすり替わり、アンジェリーナとの黒賀村での生活によって変わり始めるギイ、正二とフランシーヌ人形の電車での会話などなど。

どれもストーリーに直接関係はないかもしれないが、物語やキャラクターに深みを与えてくれていた。

アニメではそれらの背景がないので、出産という大きなイベントもサラッと終わってしまった印象がある。

特に正二とフランシーヌ人形が電車内で「笑顔」について話す内容は、「いないいないばあ」に大きく関わる話。

このままだと「いないいないばあ」もサラッと終わってしまうのか…、心配だ。

 

今回、とても不自然に思ったのは、”出産の事すら知らなかったフランシーヌ人形が、なんで赤ちゃんのお尻を叩いたのか”。

原作では産婆さんが指示をしていた描写があるが、アニメでは産婆さんは出てきていない。

あまり粗探しはしたくないが、とても気になってしまった。

 

まとめ

アニメ「からくりサーカス」第17話の感想を書いた。

「過去編」の中盤に位置し、「母の強さ」「出産」が描かれていた。

削除されているシーンは多いが、見どころのシーンはしっかり描かれている。

特にアンジェリーナのとギイの対決は良かったように思う。

出産を知ったフランシーヌ人形の驚いた表情も素晴らしかった。

制作スタッフも「からくりサーカス」の事が好きなんだろうなと感じられる。

それだけに全36話という少なすぎる話数が残念でならない。

全部しっかりやろうとしたら8〜9クールくらいになってしまうんだろうけどね。

 

アニメで「からくりサーカス」が気になった人は、アニメでは描かれていない魅力的なシーンが沢山あるので、ぜひ原作も読んで欲しい。

「過去編」はコミック23〜27巻、ワイド版12〜14巻。

 

 

 

 




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ウェブデザイナー
男 1983年生まれ
”コンパクトなデバイス”、”マンガ”、”メガネ”をこよなく愛する。
イラストの肩に乗ってるのはめそ…じゃなくてペットのフェレット2匹。