アニメ「からくりサーカス」第36話 感想・考察/大円満にて閉幕。カーテンコール。

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TVアニメ「からくりサーカス」の最終回となる第36話 「閉幕」が放送となった。

私はテレビで見られる環境にないので、Amazonプライムでの視聴。

「からくりサーカス」第36話の感想を書く。
ネタバレありなので、原作を読んでない人は注意。

からくりサーカスの進行状況は下記記事でまとめている。

TVアニメ「からくりサーカス」はどこまで進んだ?原作と比較(最終話反映)

TVアニメ「からくりサーカス」第36話 「閉幕」

あらすじ

宇宙ステーションに到着した勝は、あるるかんを操るフェイスレスと対決する。フェイスレスは勝に、エレオノールを鳴海に譲った理由をしつこく問いただす。二人の戦闘が白熱する中、ゾナハ病による人類滅亡のカウントダウンが始まる。

ストーリー

「ゾナハ病の直し方を教えてください」と、フェイスレスに土下座するマサル。

「君は僕からエレオノールを取り上げたんだぞ。それが今更…。やーだよん、ばーか!」

 

「せめて『拷問して吐かせてやる』くらいは言ってみろよ。」

「分かったよ、思い通りにしてやる!」

マサルはジャークオーランタンを取り出す。

「僕を殺したら聞き出せないよ、難しい戦いだなぁ。」

フェイスレスはそう言うと「あるるかん」と叫び、白いあるるかんを操る。

2つの人形が激闘を広げる。

フェイスレスは戦いの最中、マサルに問う。

「なぜエレオノールを鳴海に譲った?」

「最初は母、いや姉のように思えただろうけど、思春期に入ったオマエにとって、エレオノールは美しい異性になっていたんじゃないか?

「うるさい、しろがねはそんなんじゃない!」

「普通の子供ならともかく、オマエは僕のダウンロードを受けかけていた。オマエの頭の中では、大人の愛を知っていたのさ!」

マサルはフェイスレスに圧倒される。

「そしてオマエは気づいたんだ『あぁ、僕はしろがねの事が大好きだな』ってな。認めろよマサル。」

するとマサルはコロンビーヌの最後の言葉を思い出す。

「本当のこと聞きたいな。エレオノールの事を愛しているんだよね」

 

「愛なんて、分からないよ。でもオマエの言うとおりかも知れない。」

「やっと気づいたかい。ならなんで鳴海に譲った。オマエならお似合いのカップルになれたのにさ」

「だって、だって、だって!」

「言えよ、マサル!なぜエレオノールを譲った!」

「だって、しろがねを最初に好きなったのは鳴海兄ちゃんなんだもん!」

「……!!」

フェイスレスは過去の自分の行動を思い出す。

『だってフランシーヌは僕が最初に好きになったんじゃないか』

フェイスレスが思いにふけっているスキを付き、マサルはあるるかんを真っ二つに。

その頃、シャトルにフウからの連絡がある。

すると、操縦していたメイド型オートマータの中から「うるさいなぁ」と声がし、ディアマンティーナが飛び出す。

 

「先に好きになっただってぇ?そんなのは無視して手に入れればよかったのさ!」

「そしたら僕は…幸せになれたかい?それに、しろがねも鳴海兄ちゃんが大好きなんだよ。それが一番大事なことだろう?」

「ちがうねぇ!この世でいちばん大切なのは自分さ」

フェイスレスはマサルに殴りかかる。

「もういいよ、面倒くさい。聞きたいことも聞いたし。死んでおくれ」

フェイスレスがナイフでマサルを刺そうとすると、しろがね犬が割って入り、マサルを助ける。

そして同時に、ステーションの中で爆発が起こり、ディアマンティーナが現れる。

ディアマンティーナはコロンビーヌに言われた「フェイスレスに”役に立つ道具”として愛されている」を気にしていた。

「こう言ってほしいの。エレオノールよりも愛してるって。いやいや、それよりもフランシーヌよりも愛してるって。言って」

フェイスレスはまた昔の自分を思い出す。

『何故僕じゃ駄目なんだよ、僕を愛しておくれ…』

 

「さすがは僕の作ったオートマータ。でもね。僕も別の人を愛する自由だってあるんだよーん。」

分解

 

ディアマンティーナを分解するフェイスレス。

ディアマンティーナは分解されながらもナイフを拾い、フェイスレスに突き刺す。

「フェイスレスさまぁ」

「ひどい…こんなに愛してるのに…愛してくれない…」

そしてステーションの中に配置した、くまちゃん爆弾を爆発。

すると、宇宙ステーション”アルファ”は高度を保てなくなり、地球へ落下。

落下予測地点はしろがねや鳴海たちがいるロシアのボードヌイ。

マサルはゾナハ病の直し方、宇宙ステーションを人の居ないところに落下させるにはどうしたらと、フェイスレスにすがる。

「プライドも想像力もないのかよ。本当にバカで駄目なやつだなぁ。オマエの相手をするのは止めた。アフファ、相手をしてやれ」

フェイスレスはそう言うとその場から立ち去る。

人工知能”アルファ”は、落下地点を変更するには姿勢角アクチュエータが必要だが、爆発で作動しないと教えてくれる。

マサルが一人ではどうにもできず途方にくれていると、「本当にバカだな」とフェイスレスが現れる。

「バカだっていいよ、皆をたすけなくちゃ」

「45分後にオマエが死んでしまってもか?」

「うん!たすけたい!」

 

フェイスレスとマサルは、あるるかんとジャック・オー・ランタンを接続。

二人で同時に操る。

「なんで手伝ってくれるの?」

「なんてことはない。ただの気まぐれさ」

マサルは操作を誤り足を滑らせるが、すかさずフェイスレスがフォローする。

「気をつけろ、ジャコの足は繰り手の運指が難しい」

「うん、注意するよ。ごめん」

マサルはフェイスレスの視線に気がつく

「なにさ」

「別に。ただ、兄の気分というのはこういうものかと思っただけだ」

フェイスレスは子供の頃の自分と兄の関係を、今のマサルと重ね合わせていた。

あるるかん+ジャック・オー・ランタンはアクチュエータまで到着。

「よし、持ち上げるぞ」

マサルと並んで人形が繰りをするフェイスレス。

(あれぇ、昔こんな事やったなぁ、あの男と。あぁそうだ。あったっけなぁ)

「よし、アルファ、噴射!」

アクチュエータが起動し、その火力であるるかん+ジャック・オー・ランタンは焼かれていく。

それをマサルは悲しそうに見つめる。

ステーションの落下地点はオホーツク海に変更された。

なんとか間に合った、と安心していると、血が流れてくるのに気がつく。

ディアマンティーナに刺されたフェイスレスは、かなりの重症を負っていた。

「お願いだ、ゾナハ病の直し方を教えてよ!良いことして天国に行ってくれよ!」

「天国に行ったら、また会っちまうじゃないか。」

「そうしたら、またさらって逃げようかな」

「ねぇ、フェイスレス!」

「フランシーヌ人形たちも、ディアマンティーナもいなくなってしまった」

「そうさ、もう観客はいないのだよ。悪さをしたってもう誰も喜ばないんだ」

「いや、いるさ。オマエだ」

「え?」

「せいぜい、いい演技をしなければな。フィナーレは近い」

 

地球ではしろがねたちがマサルの連絡を待っていた。

するとマサルから連絡が入る。

「フゥさん!フゥさん聞こえる!?」

「しろがね!歌だ!」

♪可愛いぼうや 愛するぼうや 風に葉っぱが舞うように♪

しろがねの歌がゾナハ病の原因となるゾナハ虫のモードを”病気にさせる”から”病気を治す”に変える。

「さぁ、そろそろお前らにも飽きた。後ろのドアから行けよ。非常用乗員帰還機があるはずだ」

「帰れる?本当に?なら、オマエも一緒に帰ろう。僕らは生きていかなくちゃいけないんだ。僕らは僕らのサーカスをやらなくちゃいけないんだよ。」

「そうだ、仲町サーカスで二人で人形遣いをやらない?きっと大受けだよ!」

「ふん、オマエの顔なぞ、もう見たくないね。一人で行けよ」

非常用乗員帰還機でマサルは泣きながら帰還する。

「どうして残った?」

フェイスレスの隣にはグリュポンが座っている。

「自分はてめぇに作られたんだしよ。ま、付き合ってやるよ」

「てめぇがあんまりひとりぼっちでよ、それじゃぁ…」

フェイスレスはグリュポンを抱きしめる。

「あぁ、ひとりぼっちは…寂しいな」

「なんでマスターを帰らせてやったんだよ」

「僕の大きな計画も、ほんの小さな歯車にすぎなかった奴が、全部ぶち壊してしまった」

フェイスフェスは顔をあげる。

「でもな、弟を助けるのは、兄だもんな」

フェイスレスの目から涙が溢れる。

 

「銀(イン)兄さん…僕が間違っていたよ」

宇宙ステーションは崩れ去っていく…。

 

そして、地球ではゾナハ病になっていた人たちが次々と回復し、意識を取り戻し喜びに溢れる。

 

6年後

鳴海としろがねは「俺たちを待っている子どもたちがいる」と、世界を旅しながらサーカスを行っていた。

「さぁ、お待ちかね!サーカスがやってきたよ!」

 

どこかの国で、子供が大人に追われていた。

それを犬のきぐるみが助け、大人を追い払う。

「ありがとう、強いんだね」

「大丈夫?」

「うん。僕も犬くんみたいに強くなりたいよ。強く…なれる?」

「うん、きっと。僕よりずっとね」

 

〜カーテンコール〜

 

補足

しろがね犬が突然登場。

原作では、フェイスレスと共に占い師のアルメンドラ、しろがね犬も宇宙ステーションに来ていた。

しろがね犬はフェイスレスの溶けた生命の水を飲んでいるので、いわばフェイスレスの分身。

それがマサルを助けたので、フェイスレスが動揺する。

その理由をアルメンドラが説明するのだが、残念ながらカットされてしまった。

アルメンドラ、どこに行ったんだろう。

 

6年後、リーゼや仲町サーカス、ミンシア達の話が描かれなかった。

大きいサーカス団に復興する仲町サーカス、そこでマサルを待ち続けるリーゼ。

ミンシアは世界的な女優になっている。

さすがにここをカットされるのは、可哀想だなぁ。

 

Twitterでの反応

アニメ「からくりサーカス」公式Twitterはオリジナルイラストや、メッセージ色紙を公開





 

原作者 藤田和日郎は閉幕の挨拶



 

藤田和日郎の弟子たちは、それぞれイラストを公開。




 


 


 

感想

アニメ「からくりサーカス」最終回 第36話の感想

3クール36回の全ての放送が終了し、壮大なストーリーがついに最終回を迎えた。

 

最終話の登場人物は、ほとんどマサルとフェイスレスだけ。

「銀と金が中国を旅立って始まった200年以上の結末が、マサルとフェイスレスの二人に託された」

原作をリアルタイムで読んでいた時は、この最終回はあまり好きではなかった。

 

私はうしおととらの最終回のような壮大な総力戦が好きなので、この最終回は地味に感じていたのだ。

「200年いろんな事をしてきたのに、10歳の子供に諭されるラスボスww」みたいに思っていた。

しかし、何度も読み直すうちに「あぁ、からくりサーカスの主軸となっているのはフェイスレスなんだ」と気がつくと、だんだんとこの最終回の良さが分かるように。

今回、アニメで再度最終回を見直すと、やはりとても良い終わり方だったと思う。

 

ほんのちょっとの歯車の違いが、大きな事件に発展。

そしてその大きな事件も、小さな歯車によって収束される。

「からくり」の名前にふさわしい最終回だった。

 

そして最後のカーテンコールが圧巻。

全てのキャラクターが登場し、敵味方関係なしに笑顔で手をつなぎ合っている。

これが「サーカス」の名前にふさわしい終わり方だろう。

 

「からくりサーカス」の最終回としてとても素晴らしかった。

第1クール、第2クールの時は、いつ見るのを止めようかと思っていたけれど、見続けて本当に良かった。

 

アニメで「からくりサーカス」ファンになった人にも、アニメでは描かれていない魅力的なシーンが沢山あるので、ぜひ原作も読んで欲しい。

 

 




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男 1983年生まれ
”コンパクトなデバイス”、”マンガ”、”メガネ”をこよなく愛する。
イラストの肩に乗ってるのはめそ…じゃなくてペットのフェレット2匹。