アニメ「からくりサーカス」第23話 感想・考察/「ピアノをまた弾いてねと言われたんだ」

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TVアニメ「からくりサーカス」の23話 「悪魔再び」が放送となった。

私はテレビで見られる環境にないので、Amazonプライムでの視聴。

「からくりサーカス」第23話の感想を書く。
ネタバレありなので、原作を読んでない人は注意。

からくりサーカスの進行状況は下記記事でまとめている。

TVアニメ「からくりサーカス」はどこまで進んだ?原作と比較(最終話反映)

TVアニメ「からくりサーカス」第23話 「悪魔再び」 感想

あらすじ

戦いが続くゾナハ病研究所。ジョージは新型のしろがね-Oであるシュナージーと激突するが、まるで歯が立たない。そんなジョージに対し、フェイスレスの側についた理由を語るシュナージー。一方、阿紫花はサハラでの因縁があるパンタローネに戦いを挑む。攻撃の分析とフウの言葉をもとに勝機を見出すが、その上をいくパンタローネに次第に圧倒されていく。

 

ストーリー

開始される阿紫花 vs パンタローネ戦。

サハラ砂漠で未登場だったグリモルディを阿紫花が操る。

阿紫花はパンタローネ攻撃のスキを見つけようとするが、両腕からの遠距離攻撃に近づけない。

 

一方、ジョージ vs シュナージー戦も開始。

ジョージはスペックが上のシュナージの攻撃に押される。

ジョージを圧倒するシュナージは、自身がフェイスレス側に付いた理由を話し始める。

シュナージは「美しい地球から全ての物をむしり取る人間が許せない、人間さえいなければ地球は美しいままでいられる」と考えている。

「人間は動かなくなるべきなのさ」

 

一方、パンタローネに近づけない阿紫花だが、「プロは尻尾を巻いて逃げたらビジネスにならない」とパンタローネのスキを伺う。

 

阿紫花はフウからオートマータの「黄金律」を聞いていた。

オートマータには「人間たちに恐怖と苦痛を与える道化。よって観客である人間たちに見えない動きで動いてはいけない」というルールがある。

武器・兵器を持っている人間は観客ではないが、操り人形は武器として認識されないのでオートマータは人間程度の速さの動きしかできない。

それが操り人形を使う阿紫花が、オートマータに勝てる理由だとフウは言う。

 

阿紫花は、パンタローネが攻撃する手を切り替える一瞬を狙い、攻撃を仕掛ける。

パンタローネはその攻撃を避ける。

阿紫花は「空中なら殺れる」と追撃するが、パンタローネは「そうかな?」と言うと空気弾を撃ち空中を移動。

阿紫花は反撃を受けて落下。

それでも刀を投げて応戦するが、それも逆に投げ返されて腹に受けてしまう。

 

院内では子どもたちがオートマータに襲われていた。

そこに颯爽と現れる鳴海。

「こいつ人間じゃねぇか」

「人間か…ハズレ」

「こんな強いやつが人間のはずがねぇ!なんなんだよ、てめぇは」

「命さ」「悪魔(デモン)さ」

鳴海はそう言うと、次々とオートマータをなぎ倒していく。

オートマータたちを倒し、看護師のヘレンから「ハリー」は扉の奥にある事を教えてもらう。

 

「ハリー」のある部屋にはブロム・ブロム・ローとドリルセプテンバーが、「ハリー」への攻撃の機会を伺っていた。

「ハリー」はゾナハ虫を無力化するので、擬似体液がゾナハ虫でできているオートマータは近づけない。

しかし、「ハリー」のバッテリーはすでに無くなりかけているので、電力切れをブロムたちは待っていた。

そしてその時はやってきてしまう。

 

阿紫花は刀を受けてしまい、グリモルディに磔になってしまう。

 

そこで阿紫花はフウに言われたことを思い出す。

ジョージの血液を飲んで生命の水(アクアウイタエ)が体内に入った阿紫花。

生命の水は少量でもすぐに体内をめぐり渡る。

それにより体はタフになり、その血液はオートマータにとって猛毒となる。

阿紫花は「一世一代の似合わねぇやり方で…」と脇腹を割いて刀を抜く。

 

パンタローネが阿紫花にトドメを刺そうと構えると、阿紫花は笑い始める。

パンタローネが笑う理由を尋ねると、阿紫花は「あんた真面目だなぁ」と言う。

 

「その調子じゃ女を笑わせたこともねぇよな」

そう言うと、パンタローネの表情が変わる。

フランシーヌ人形を笑わせるために造られたパンタローネ。

「教えろ!どうすればあの方を笑わせる事ができるのだ!」

パンタローネはフランシーヌ人形にそっくりなエレオノールを笑わせたいと考えていた。

「教えるが、もう声がでないので、もうちょっと寄ってくんなぁ」と言う阿紫花。

阿紫花は「女を笑わせるには…」と言うと近づいてきたパンタローネに抱きつく。

「なんだこれは」と言うパンタローネに「わかんねぇかなぁ。抱擁こそ、100万の言葉に勝るってねぇ」

「体で行動しなきゃ、女は笑ってなんかくれませんぜぇ!」

そう言うと、阿紫花はグリモルディの上半身を回転させる。

グリモルディには阿紫花の血が付いた刀が突き刺さっていて、それがパンタローネの手に食い込む。

生命の水が溶けた阿紫花の血が、パンタローネの動きを麻痺させる。

「すいやせんねぇ。でも、アンタがいけねぇんですぜ。あたしに『どけ』なんて言うからよ」

パンタローネは体が言うことが効かなくなるが、「この程度で私に勝ったとは言わせん!」と手を阿紫花に向ける。

阿紫花にはもう打つ手はなく「しゃぁねぇ、店じまいだ」と覚悟を決める。

「死ねぃ、阿紫花!」

その瞬間、パンタローネはエレオノールに言われた「これ以上人間を傷つけることは許さない」という言葉を思い出す。

攻撃は放たれ、グリモルディは吹き飛んだが、阿紫花は無事だった。

阿紫花はパンタローネがわざと軌道をそらしたことに疑問を感じる。

 

シュナージはジョージにギブアップを勧める。

ジョージは「ギブアップ…。機会人間はジョークを言わないものだ」と言いながらタバコを吸う。

「タバコだと…仮にもしろがねOの君が非合理すぎるぞ」

「飽きたのさ。合理的な生き方にも、自分の人生に退屈するのにも」

「何をいっているのだ」

「お前は以前の私にそっくりだな。自分を神に選ばれた人間だと信じた私に」

「それがどうした」

「でも、違うところがある。私は『ピアノを弾いてくれ』と言われたんだ」

「私は拍手と共に言われたんだ『ピアノをまた弾いてね』って」

ジョージとシュナージが再度ぶつかりあう。

今度はジョージがシュナージを押し始める。

「お前は言われたことないだろう!私は言われたぞ!あの子たちは言ってくれたんだ!」

ジョージの球の回転数がシュナージを上まり、シュナージを撃破。

しかしジョージも球の破片を受けてしまっていた。

ジョージのもとになんとか駆けつけた阿紫花。

ジョージは「私には合わないようだ」と、約束通りタバコを阿紫花に返す。

ジョージは「さぁ、次は…あの子達に…何を…弾いて…やろう」と言い、その生命を散らした。

 

考察・重要シーン/削除シーン

今回は名シーンの連続だった。

鳴海の「悪魔(デモン)さ」

阿紫花の「アンタがいけねぇんですぜ。あたしに『どけ』なんて言うからよ」

ジョージの「『ピアノをまた弾いてね』と言われたんだ」

鳴海の戦闘はすぐに終わってしまった印象があるが、阿紫花とジョージの戦闘はしっかり時間を使ってくれた。

 

阿紫花操るグリモルディはめちゃめちゃ高速に動いていて、スピード感、迫力があった。

そして、和風のBGMがめちゃめちゃかっこいい!

惜しむべきは、これまでにパンタローネの強さがあまり描かれていなかった事。

中国で師匠に一瞬で投げ飛ばされ、サハラ砂漠で鳴海に壊されてきたパンタローネ。

本当は規格外の強さがあり、それを倒した阿紫花かっけぇ!になるシーンなだけにそれが残念。

 

ジョージも、会話は多少削除されたものの、しっかりと描かれていた。

戦闘や会話の間のとり方など、ほぼ完璧だったんじゃないかな。

「私は拍手と共に言われたんだ『ピアノをまた弾いてね』って」のセリフも完璧。

声優の浜田賢二さん、いい仕事するわ。

 

まとめ

アニメ「からくりサーカス」第23話の感想を書いた。

前回に引き続き、かなり満足の行く回だった。(これまでが酷かったってのもあるけど)

阿紫花、ジョージの見せ場をかっこよく描かれていて、それぞれの会話も違和感なかった。

この調子で最後まで描ききって欲しい。

 

時間さえあれば、しっかりとした作品が作られるんだよなぁ。

3クールなんて短い時間じゃなければ…。

コストも裏事情も全く知らずに言ってしまうが、6クールくらいあればかなり良い作品が作れたんじゃないかと思うと、非常に残念

 

アニメで「からくりサーカス」が気になった人は、アニメでは描かれていない魅力的なシーンが沢山あるので、ぜひ原作も読んで欲しい。

 

 




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ウェブデザイナー
男 1983年生まれ
”コンパクトなデバイス”、”マンガ”、”メガネ”をこよなく愛する。
イラストの肩に乗ってるのはめそ…じゃなくてペットのフェレット2匹。